真田幸村くんの日記:第47回 私が大坂城にいる理由
4月21日
徳川といくさになった時、大坂城の上層部は籠城を決め込んでいたので、思い切って城の外に出て戦うべしと私は上層部に提案した。
しかし、ただの浪人、戦国ハケンの分際で何がわかる、生意気だ!と私の提案はいつものように却下された。
何で私は大坂城にいるんだろう…
「はあ~、死にたいなあ。」
と私はお昼休憩時間、大坂城の庭でおにぎり片手にうなだれた。
「じゃあ、このおにぎりちょうだい。」
と盛親先生が突然後ろから現れて、私の手からおにぎりを取って一口食べた。
「ちょっと先生、返してください!」「中に入ってるコレ、うまいな。」「戦国ツナマヨです。」「何それ。」と先生が笑った時、
「嗚呼、もう死にたい…」
と大坂城の若きエース・木村重成くんが向かいの松の木の下に腰を下ろした。「ど、どうしたの!木村くん。」と私は木村くんに駆け寄った。
「青柳の好きなタイプが伊達政宗ってことがわかったのですが、あんなヤツのどこがいいのかサッパリわからなくて…」
青柳(あおやぎ)というのは、木村くんが只今一方的に想いを寄せている女の子だ。
「趣味がいいとは言えないが、いくさのいの字も知らないケツの青い木村より、百戦錬磨の伊達政宗の方がまだマシだろ。」
「はあ?それってオッサンってことじゃないですか!」
「おいおい、伊達政宗をオッサンって言ったら同い年の真田幸村もオッサンだからな。」
私は木村くんと先生のやり取りに噴き出した。お陰で私の死にたい気持ちは和らいでしまった。ここ大坂城でもう少しがんばってみようと思ってしまったんだ。
カテゴリ:真田幸村くんの日記 | 2014-04-21 公開
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