石田三成くんの日記:第47回 一人じゃ何もできない


石田三成戦国29年6月20日

一人じゃ何もできない。何故そんな勘違いを?

朝鮮を救うべく明の大軍四万が、小西行長籠る平壌城を攻撃した。釜山に上陸して以来、破竹の勢いで北上した小西軍はここに来て敗退。ソウルの日本本営まで敗走した。

その小西軍を明の大軍三万が追うように南下。我々ソウルの日本軍四万は、これを迎撃することとなった。

果せるかな、先鋒の立花宗茂・小早川隆景らの善戦により明の大軍を撃破することができた。

胸をなで下ろしたのもつかの間。今度は明の大軍と挟撃を目論んだ朝鮮軍が北上。ソウル近郊の幸州(ヘンジュ)山城に入って、指揮官の権慄(クォン・ユル)は城塁を修理し、重柵を造って防備を固めた。

孤軍に何ができるのかと、ソウルの日本軍はせせら笑う者もいた。しかし、

この戦争が始まってから逃げ回るばかりの朝鮮軍だったのに、そんなバカな…

と小西は愕然とした。

間者の報告によると敵の兵数およそ一万。

と大谷吉継が告げると、

ソウルの日本軍三万。数の上では有利だが、あちらには意味がある。

権慄

権慄

と小西は唇をかみしめた。

そう、私たちには決定的に意味が欠けていた。

全ての生は、自分が自分である為の戦いだ。なのに、いつまでも他人の欲望のために戦っている。

敵は明の大軍なしで日本の大軍に挑もうとしている。

敵がようやく目覚めたというのに、私たちはまだ勘違いしている。

大きなものに属していないと何もできないと。

金や肩書がないと何もできないと。

一人じゃ何もできないと。

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