小西行長くんの日記:第15回 西洋のお味噌汁様
7月9日
今日は、2ヵ月前、隣り近所の加藤清正に、借りたお味噌を返すために、清正の屋敷を訪ねた。清正の屋敷の玄関で、「私がお味噌を早く返さないばかりに、さぞかしご迷惑をおかけしたことでしょう。」と私は清正に謝った。「さぞかし迷惑した。」と清正の顔は引きつっていた。
「申し訳ない。お詫びとして、南蛮人からもらった、スープの素を持って来ました。スープというのは、西洋のお味噌汁です。これにお湯をそそぐだけで、出来上がります。」と私は借りたお味噌と一緒に、清正にスープの素を渡した。
「この西洋の味噌汁には、ごぼうや大根、マツタケを入れて飲むとよいのか。」と清正は言った。「何も入れなくて、いいんですよ。このスープの味とコクを楽しんでください。」と私は言った。「それでは栄養がとれん。」「でも、スープを味わっていると、オシャレな時間が流れます。」
「オシャレな時間が流れる!?その歯の浮くような発言はなんだ!」
「西洋のお味噌汁様に、ごぼうと大根とマツタケを入れたら、私は許しませんよ!」
更に清正は、ごぼうと大根とマツタケをおまえは、馬鹿にしているか、と怒鳴り散らし、私達の言い争いはノンストップ二時間半続いた。
カテゴリ:小西行長くんの日記 | 2008-07-09 公開
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