加藤清正くんの日記:第30回 他人の幸せ


加藤清正10月20日

才気ともに、我と異ならざる者は、すなわち治部少輔一人あるのみ。

そんなふうに太閤殿下に高く評される佐吉(石田三成)は、なんて幸せな武将なのだろう。

佐吉は、ある時は博多町奉行として衰微していた博多の町を復興させ、ある時は検地奉行として国ごとでバラバラだった検地を全国規模で統一し、その名を轟かせた。

もう充分だった。耳をふさいでも聴こえてくる、幼馴染の鳴り止まない名声は、もう・・・

男の嫉妬は深いね~、怖いね~。

振り返ると、隣り近所の小西行長が川で釣りをしていた。「うるっさい!おまえにわしの気持ちがわかるか!」

わかるさ。他人の幸せを喜ぶこと程、難しいことはないからな。しかし清正、諦めろ。」「は?」「諦めて、自分の持っている素敵なものを思い出してみろよ。

「熊本城・・・かのお。」「違うだろ。おまえの持っている誰にも負けない素敵なもの、それは、隣り近所の小西行長というハイセンスなキリシタン大名の存在だ!

はあ?!何言ってんだ、この人。しかし熊本城を思い出すことができたら、いつの間にかつまらない嫉妬は消えていた。礼を申すぞ、小西ご近所行長よ!

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