藤堂高虎くんの日記:第4回 準備しない救世主・脇坂安治現る


藤堂高虎戦国28年3月7日

文禄の役が始まって二か月余り。

私を含む日本水軍は、今日まで李舜臣率いる朝鮮水軍と七回戦ったが、一度も勝利を挙げたことはなかった。

そんな日本水軍を見かねて太閤秀吉様は、ソウル近郊の龍仁(ヨンイン)で朝鮮陸軍を撃破した脇坂安治殿に朝鮮水軍の撃滅を命じた。

秀吉様の期待を背負って脇坂殿は、九鬼嘉隆殿と加藤嘉明殿と共に南下。先日ここ釜山(プサン)日本本営に着陣した。

九鬼殿と加藤殿は早速、船をこしらえたり、朝鮮水軍のめくら船(亀甲船)の威力など私に聴いたりして出陣の準備を整えていた。

一方、脇坂殿は、

準備に時間かけすぎだろ。

と九鬼殿と加藤殿に苛立っていた。

「脇坂殿も入念に準備されて出陣されるのが宜しいかと。」

と私は助言した。

連戦連敗している人のアドバイスを聴いてもねえ。

と脇坂殿は溜息をついた。

「先日は瀬戸内村上水軍の雄・来島通之が朝鮮水軍に敗れて戦死しました。李舜臣は我々より遥かに海を知り尽くしています。」

おいおい、朝鮮人を称えてるのはやめてくれ。

脇坂安治

脇坂安治

「侍は昔から、あっぱれな戦いをした武将を敵味方なく称えてきました。李舜臣を称えたとして、それの何がいけないのですか?」

高虎殿は李舜臣に随分ご執心のようだ。

「は?」

だけど李舜臣にとって貴様は眠ったらすぐに忘れる存在であろう。弱すぎて。

「貴様―ッ!黙って聴いてりゃあ、いい気になりやがって!!」

本当のことを言って何が悪いッ!!

脇坂殿と私は殴り合いのケンカになった。

李舜臣が”脇坂安治が釜山に着陣”との情報を得て、早速新たな作戦を立てたことも知らずに…

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