後藤又兵衛くんの日記:第49回 嘘のつけない軍師


後藤又兵衛戦国24年3月8日

おい、又兵衛。おまえ、よそで自分の肩書きを、黒田長政の軍師、とか名乗っているみたいだな。

俺が黒田の屋敷で昼飯を食べている時、主君の吉兵衛(黒田長政)がやって来て、上から俺を見下ろし、そう言った。「何か問題でも。」俺は握り飯をほおばった。

今は亡き俺の親父は、軍師の代表みたいなものだったが、槍働きでの活躍しかない又兵衛が、俺の親父と同じ軍師なわけがないだろ。厚かましい。

「それもそうですね。どうもすみませんでし…」と俺が言いかけた時、

黒田長政

黒田長政

だったら槍働きもできる軍師として、又兵衛殿を福島家で雇わせてくれ、長政殿!」と福島正則殿が黒田の庭の垣根を超えて、いきなり飛び出て来た。

やめとけやめとけ、福島殿。」吉兵衛は首を横に振った。「軍師は人の心理の裏をかく策略家だ。又兵衛みたいな、嘘をつけないことだけが取り柄のような不器用な男に、軍師が務まるわけがなかろう。

ウォーッ!長政殿が又兵衛殿をそこまで評価しているとは知らなかったーーッ!」「評価してんじゃねえ、呆れてんだよ!

だったらいいけど、頼むよ、吉兵衛。そんな変化球投げられても、俺は別に忠誠心なんか芽生えたりしない。だけど俺としたことが調子を狂わされた。吉兵衛の思いがけない言葉に、今日の俺は一日中調子を狂わされていたんだ。

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