北条氏康くんの日記:第38回 甘くて苦い戦国チョコレート


北条氏康戦国23年2月10日

私は、反北条の態度を崩さない武蔵国の豪族・三田氏と太田氏に、いつまでも手こずっていた。

今年も去年みたく、前に一歩も進めないかもしれない。屋敷でひとり、そんな不安に怯えていた時、家臣の北条綱成(つなしげ)がやって来た。

きのがこれを殿にと。」と綱成から私は戦国チョコレートを受取った。『きの』とは、綱成に嫁いだ私の妹だ。

「ありがとう。きのは息災であるか。」「はい。今年は私の配下である、玉縄北条の家臣全員に戦国バレンタインを配ると、ここ数日ずっと戦国チョコレートを作っております。

「それもこれも、きのが綱成の正室であることに満足しているからだろう。生真面目な綱成は、側室なんか作らないだろうし。」

北条家の婿養子である私が側室なんか作ったら、殿が許さないでしょう。」「いや、別にいいよ。他に好きな人がいるのなら。」

いえ、私はきのしかいません。」「はい、ご馳走様。」「って何を言わすんですか!」と綱成が顔を真っ赤にして狼狽した。私は笑った。

そして甘くて苦い戦国チョコレートをかじったら、もう少しがんばってみようと思った。譲れないものがあるのなら、三田と太田になめられたまま、引き下がってたまるものかと思った。

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