上杉景勝くんの日記:第37回 五大老、恋の請負事業


上杉景勝2月14日

今日は五大老定例会議があった。その後、近くの寺で五大老の家康殿、利家殿、輝元殿、秀家殿、わしとで恒例の夕食会があった。

淀の方様は、大野治長(はるなが)の為に戦国バレンタインチョコレートを作ったのですが、勇気がなくて渡せないそうです。そこで五大老から大野治長に渡しておいて欲しいと、淀の方様から頼まれました。」と輝元殿が懐から戦国チョコレートを出した。

輝元殿、国家の大事業以外の仕事を引受けてこないでよー!」と家康殿が呆れた。「たった一人の女性の為にひと肌ぬぐ。そんな五大老も、たまにはよいではありませんか。」と秀家殿が笑った。

さすが二枚目武将・秀家殿。粋なことを言う。」と利家が茶を飲んだ。その時、「五大老の皆様に大坂城からの差入れとして、鶯餅をお持ちしました。」と大野治長がナイスタイミングでやって来た。そこで、

「ずっとあなたのことが、好きでした。」

とわしは大野治長に向かって叫び、戦国チョコレートを渡した。「あ、ありがとうございます・・・」と大野治長は戦国チョコレートを受取り、困惑しながらこの場を去った。

しゃべらない景勝殿が、しゃべりおったわ!」「『淀の方様は』という主語が抜けてましたけどね。」「これじゃあ、大野治長にヘンな誤解されただけじゃない?」「景勝殿、緊張していたのですか。」と秀家殿が笑った。わしは赤くなって、こくりと頷いた。

ちょっと大失敗。すまぬ、淀の方様。けれどお蔭でわしは、今日という日が、おなごにとってどれだけ特別な日か、少しわかった気がした。

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