松永久秀くんの日記:第55回 三好家を滅ぼしてまで


松永久秀1月29日

石山本願寺の軍に取り囲まれた、織田軍の天王寺砦を救うべく、信長から俺様は、佐久間信盛、細川藤孝らと共に先陣を任された。そして戦闘を繰り返している間、俺様はふと思った。

名もなき俺様を評価し重用してくれた、主家の三好家を滅ぼしてまで、俺様が大名まで成り上がったのは、こんなふうに信長の退屈ないくさに付き合う為じゃない。俺様は信長のライバルであっても、決して駒ではない。

激戦の末、信長率いる織田軍は天王寺砦を救い、本願寺に打撃を与えたので、俺様は軍を引き払おうとした。その時、「松永殿!」と後ろから明智光秀に声をかけられた。「何だよ。」俺様は低い声で答えた。

松永殿のご活躍、お見事でした。」「別にご活躍なんかしてねえけど。」「松永殿。」「だから何だよ。」「また逢えますよね?

は?俺様はおまえの恋人か。」「すみません、松永殿の後ろ姿を見ていたら、織田家から急に姿を消してしまう気がして・・・

安心しろ、明智。俺様はまた、自分の進むべき道がわからくなってしまっただけだ。この歳になってもまだ、孤独の迷路から抜け出せないでいるだけなんだ。

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