松永久秀くんの日記:第53回 生きる力とは、


松永久秀戦国22年11月22日

俺様が心血注いで執筆した、男女の契りの指南書。これは一万部も売れたのだが、全ては明智光秀が汗を流して、売り歩いてくれたお蔭だ。

久秀様のような二枚目が、こんな破廉恥で下品なものを書くなんて。

俺様は、そんな揶揄(やゆ)が飛び交うことを恐れていた、怯えていた。だから、一人でも多くの人間に、この上品で為になる男女の契りの指南書を読んでもらいたいと思っていたクセに、心にブレーキをかけてしまった。自分じゃ余り売って歩くことができなかった。

こんなことじゃ多分、今、気になっている女にだって、心にブレーキかけて、また告白できずに一生後悔する。

俺様は心機一転、男女の契りの指南書二作目の執筆に取りかかっている。二作目は、もっと大胆に分かりやすく、なんと図解入りだ。そして今度は明智光秀に頼らず、自分の足で売って歩くつもりだ。

破廉恥で下品なものって言われて突っぱねられてもいいじゃないか。好きな女に告白して派手に振られてもいいじゃないか。

一体誰に何を遠慮しているんだ。生きる力とは、自分を一歩前に押し出す力だろう。今、誰かに伝えたい想いがある。あなたに向かって叫びたい想いがある。これが今の俺様の、全てなんだ。

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