後藤又兵衛くんの日記:第43回 鷹狩による身分制度
8月12日
江戸幕府を開かれた大御所様(家康)は、鷹を最高権力者の象徴とし、諸大名に許可なく鷹狩を行うことを禁止した。
そして将軍家が鷹狩によって捕えた獲物は、贈答品として諸大名に贈られた。しかし家格によって下賜(かし)する獲物に差をつけた。
長寿の薬として貴重な鶴は、御三家、前田家、伊達家、島津家に、その下の家格の大名には、鴨や雁(ガン)が下賜された。鷹狩の目的は実はこうした、将軍家による身分制度の秩序の維持にあった。
「別に黒田家は鴨でも構わないけれど、なんか、この世の不公平に腹立ってきた!」と主君の吉兵衛(黒田長政)は、俺の分までグラスに葡萄酒をついでくれた。
「殿、ありがとうございます。って、自分のグラスには並々と葡萄酒をついで、私のグラスには雀の涙ほどしか、ついでくれないのですか。」
「その通りだ!この世は実に不公平なのだから。」
「・・・・・・・・・・。」
不公平と戦うわけではなく、まさかの便乗かよ!ホント、どうしようもないよ、うちのお殿様は。けれどその調子で、不公平で理不尽な世の中をしたたかに渡り歩くといいさ、吉兵衛。
カテゴリ:後藤又兵衛くんの日記 | 2010-08-12 公開
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