加藤清正くんの日記:第24回 境(さかい)
8月6日
戦国時代には、明確な国境や村境などなかった。境はその国や村に住む人々の「心」が決めていた。
そして境には目印として、樹木や神札などを置く風習もあった。
小西行長は、小西領と加藤領の境に目印として、手に弓矢を持ち、背中に羽根をつけた天使とやらを置いた。
わしはその不気味な石像を取り払い、小さなお地蔵様を置いた。すると、「何、勝手に目印替えてんだよ!」と小西が家臣の内藤如安と連れてやって来た。
「なんか殿と清正様って、戦国の聖☆おにいさん、って感じですね。」
と内藤如安が笑った。「でもお二人とも30オーバーだから、戦国の聖☆おっさんか。」「というか、聖☆おにいさんって何じゃ。」
「そんな質問してるから、聖☆おっさん言われるんだよ、清正。」と小西は溜息をついて、天使とやらをお地蔵様の隣りにくっつけて置いた。
戦国時代には、明確な国境や村境などなかった。境はその国や村に住む人々の「心」が決めていた。曖昧で確かな「心」が、決めていた。
カテゴリ:加藤清正くんの日記 | 2010-08-06 公開
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