後藤又兵衛くんの日記:第42回 くろっちです!
7月2日
今夜は黒田家の屋敷で、主君の吉兵衛(黒田長政)と重臣たちとで、宴会することになった。
幹事を任された俺は、料理と酒の手配をし、重臣たちを宴会する部屋にかき集めた。そして最後に自分の部屋で仕事している吉兵衛を呼びに行った。
「殿。」と俺が声をかけると、吉兵衛は「何?」と筆を止めて、その大きな瞳でじっと俺を見た。
「整いました。」
「よし、面白いのを頼む。」
「いや、なぞかけじゃなくて、宴会の準備が整いました。」
「このご時勢に、なぞかけ以外に『整いました』とか言ってんじゃねえ!」
と吉兵衛は立ち上がって、宴会する部屋に向かって行った。何なんだ、その勝手な自分ルールは。吉兵衛の机をそっと見ると、紙になぞかけが書いてあった。
「後藤又兵衛とかけまして、家臣と解きます。その心は!自分を過信しすぎ。くろっちです!」
なんだ仕事してたんじゃないのか。ホント、どうしようもないよ、うちのお殿様は。
カテゴリ:後藤又兵衛くんの日記 | 2010-07-03 公開
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