後藤又兵衛くんの日記:第38回 明智光秀の幻の名著


後藤又兵衛12月14日

今日の昼間、俺は書物を読みながら、勤め先である黒田家の長い廊下を歩いていた。読んでいる書物のタイトルはズバリ、「理不尽な上司との接し方」。明智光秀殿著作のまぼろしの名著だ。

いろいろと為になることが書かれてるなーと、ページをめくり、廊下の角を曲がろうとした時、主君の吉兵衛(黒田長政)とぶつかった。その衝撃で俺は「理不尽な上司との接し方」を、床に落としてしまった。

吉兵衛は「理不尽な上司との接し方」を黙って拾った。うわぁ・・・オワッタ。俺は目の前が真っ暗になった。その時、吉兵衛が

又兵衛よ。時は金なり。自分にもっと関係のある本を読むがいい。

と言い放った。そして俺に「理不尽な上司との接し方」を手渡して、何事もなかったかのように去って行った。吉兵衛は、自分は理想的な上司だと信じて疑わないらしい。

今年も最後まで、吉兵衛はこんなふうに、わけわからん調子だった。お蔭で俺の日記は今年も、吉兵衛のことだらけ。もっと他に書くことは、あるはずなのに。俺は苦笑した。

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