小西行長くんの日記:第30回 小西は俺達の誇り


小西行長戦国21年10月16日

先日、私は用があって大坂城に行き、ついでに堺まで足を延ばし、私が商人をしていた頃の旧友たちと逢った。彼等は私を、食べきれない程のご馳走でもてなしてくれた。

旧友たちは相変わらず、商いを営んでいた。余り儲かってはいないらしいが、自分の売っているものに誇りを持ち、将来は店をもっとこんなふうにしたいと、夢を膨らましていた。

一夜明け、別れの時、「商人から大名にまでなった小西は俺達の誇り。」と彼等は私の手を握りしめ、堺のお土産まで持たせてくれた。

大名になってからの私は、熊本という知らない土地に飛ばされ、朝鮮といくさまでしなければならかなった。商人に戻りたい。旧友たちともう一度、商いがしたい。熊本に帰る私の足取りは重かった。

本日の夕方、私は熊本に戻って来た。自分ちの門の片隅にふと目をやると、ご近所・加藤清正からの煮物のおすそわけが置いてあった。

なんでこのタイミングで持ってくんだよ。まさかこのくらいで、堺から熊本に戻ってくる間、こらえていた涙を流すわけにはいかない。もう三十代。まだ三十代。泣くわけにはいかなった。

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