小西行長くんの日記:第29回 熊本城の落書き


小西行長9月14日

昨夜、誰かが、熊本城の石垣に、「キリシタン大名は出ていけ。」という大きな落書きをした。朝から、加藤清正と家臣らは落書き消しに、悪戦苦闘していた。

私は特殊な戦国化学溶剤を持参し、熊本城に駆け付けた。「タワシでそんなに、ゴシゴシやったら、おまえんちの自慢の石垣を傷つけるだろう。」と私は清正に言って、溶剤を落書きの上に塗った。

小西んちを、わしんちと勘違いして、キリシタン大名云々書くとは、かなり抜けているヤツだ。」と清正はため息をついた。溶剤の上から浮き出てきた落書きを、私は素早く雑巾で拭き取った。落書きはあっという間に消えた。私は清正の家臣たちから、大きな拍手を受けた。

しかし、こんなに美しい石垣に堂々と落書きする人間がいるとは、世の中、すさんだもんだな。」と私は戦国バケツで雑巾を洗った。「言いたいことがあるのだったら、小西本人に直接言えばいいものを。実に陰湿じゃ。許せん!」と清正はいきなり槍を振り回した。

もしかして、俺に同情してくれる?」「たまにはな。ご近所だし。」「ご近所か。」「そう幸か不幸か、おまえとわしはご近所だ。」

清正と私は苦笑した。空を見上げると、澄み切った青空が広がっていた。

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