真田幸村くんの日記:第22回 希望さえ失った私の為に


真田幸村戦国21年6月4日

今月も私は、大坂城で厠(かわや)掃除を任されていた。初めは一生懸命にやっていた掃除も、いつの間にか手を抜くようになった。大坂城でがんばることにもう、疲れてしまった。

私の磨いた厠に、盛親先生が摘んできてくれた橘(タチバナ)の花も枯らせてしまった。その橘を今日は、庭に捨てに行くことにした。その途中、大坂城のお偉いさんの部屋を通った。中から声が聞こえた。

真田丸の建設を、どうして許可していただけないのでしょうか。」「作戦を考えてくれなど、ハケン武将(浪人)に頼んだ覚えはない。」「真田幸村はハケンかもしれない。しかし真田丸なしで、徳川が倒せるとも思えません。」「なんの実績もないハケンに何ができる。

ハケン、ハケンって、もういい。お前より上の人間に頼むから、もういい。」という怒鳴り声と共に、部屋のふすまが開いた。セイシャ武将の盛親先生が出てきた。「真田幸村、今の聞いていたのか。」と先生は、廊下に立っていた私に言った。

希望さえ失った私の為に、先生はどうしてそんなに・・・」と私の目から涙が落ちた。先生は私の手にしている、枯れた橘に目をやった。そして

何度だって、真田幸村の磨いた厠に、ガラにもなく花を摘んでくるさ。真田幸村は私の希望だからな。」と言って、先生は笑った。

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