加藤清正くんの日記:第8回 回覧板
12月14日
戦国熊本限定回覧板が回ってきた。今月の連絡事項はふたつ。年末年始は夜、騒いだりお酒を飲みすぎたりして、近所にご迷惑をかけないこと、来年の年始の餅つき大会は1月3日朝9時から行われること。わしは了解し、印を押した。
近所の家からこの回覧板が6番目にわしに回ってきて、次に回す7番目の人間は、お隣さんの小西行長だ。嗚呼、小西に回覧板回す為だけに、この寒い中、外に出たくない。しかし、早く小西に回さないと、8番目の向かいの屋敷のおばさんに迷惑をかける。
わしは意を決して、冷たい風の中、小西の屋敷の門を叩いた。小西がもそもそ出てきた。「嗚呼、今月のこの回覧板なら、清正が留守の間、先に回ってきて、もう見たよ。印するの忘れてた、ごめん。」と小西は私の目の前で回覧板に印を押した。「悪いけど向かいのおばさんに、回覧板回しといてくれる?よろしくね。」と小西は言って、門を閉めた。嗚呼、この世に回覧板さえなければ。いや、小西だ。小西が隣り近所なのが全ていけないのだ。
カテゴリ:加藤清正くんの日記 | 2008-12-14 公開
« 松永久秀くんの日記:第30回 口説いても落ちない女 山内千代さんの日記:第3回 ど忘れ »
ランダムデイズ
- 小西行長くんの日記:第59回 登りつめれば
- 上杉景勝くんの日記:第41回 十炷香-其弐
- 加藤清正くんの日記:第49回 出逢い
- 後藤又兵衛くんの日記:第67回 大砲で貫いて
- 後藤又兵衛くんの日記:第47回 武功派と呼ばないで