後藤又兵衛くんの日記:第24回 黒田家の三種の神器
10月22日
今日は、屋敷の大広間で、主君の吉兵衛(黒田長政)の朝礼を黒田の重臣たちと聞かされた。
「黒田家の三種の神器を答えてみろ!」と吉兵衛は突然叫んだ。何ですかそれは?と俺が聞くと、吉兵衛は「わしの亡き父、黒田官兵衛の遺品だ!」とまた叫んだ。
ひとりの家臣が「えーとそれは、官兵衛様が生前よくかぶっていた頭巾。それと足が不自由だった官兵衛様愛用のつえでしょうか。」と言った。「その通り。あとひとつは?」と吉兵衛は、重臣たちを睨みつけた。重臣たちは誰もわからず、静まり返った。
「目薬だよッ!」
と吉兵衛は、立ち上がった。出世する前の貧しい頃の官兵衛様は、目薬を売っていたらしい。黒田の三種の神器は、亡き官兵衛様の頭巾と杖(つえ)と目薬か。「又兵衛よ。」と吉兵衛は俺に声をかけた。
「わしは今、目がしょぼしょぼしておる。今から城下で、わしの為に目薬を買って来るがいい。」「三種の神器の、目薬を使ってはどうでしょう。」と俺は言った。「お前は、主君に濁っている目薬をさせと言うのかッ!」と吉兵衛は怒鳴り始めた。嗚呼、うるせえ、うるせえ。
カテゴリ:後藤又兵衛くんの日記 | 2008-10-22 公開
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