石田三成くんの日記:第18回 赤とんぼ


石田三成 9月1日

私は、やっと大坂城から戦国夏休みをいただいた。そこで、福井県に住む、友人の大谷吉継(よしつぐ)を訪ねることにした。ハンセン病を患わっている彼が、症状が重くなってはいないか、私は心配であった。

大谷の屋敷まで、家臣の蒲生郷舎(がもうさといえ)を連れて、とぼとぼと歩いていた。途中で、大谷への土産を持参してくるのを、忘れていたことに気がついた。まあ、いいか、と思った時に、私の肩に赤とんぼがとまった。

これは大きくて、立派なこと。このとんぼの、濁りのない真っ赤な色が、一本筋の通った大谷殿を思わせます。」と郷舎は言った。「そうか?!大谷は結構、天然だぞ。」私は言った。ともあれ私は、自分の着物の袖の、ほつれていた糸を、切った。そして、その糸を赤とんぼの体に巻きつけた。

私の肩にとまった赤とんぼは、糸の長さの位置で、陽が落ちる空を高く飛び始めた。私は私と赤とんぼを結ぶ糸の、先の方をしっかり握りしめた。大谷によい土産ができた。

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