伊達政宗くんの日記:第47回 アイシテル


伊達政宗戦国23年8月12日

おばんでがす~。赤と紫と橙色が入り混じる空の下、おらは三陸海岸の砂浜に一人立っでいだ。

おどさ(お父さん)!

娘の五郎八(いろは)の声が聴ごえだような気がしだ。だども五郎八は今、徳川家康殿の息子さ嫁いで都会でくらしでいる。

おどさ!

振り返った瞬間、五郎八がおらの胸さ飛び込んできだ。「五郎八!」おらは驚いだ。「やっと逢えだ・・・あの日、3月11日から五ヶ月間ずっとずっと、おどさに逢いたぐで逢いたぐで・・・」五郎八の目から大粒の涙がぽろぽろと落ちだ。

「また性懲りもなぐ里帰りさしで。だなどの(旦那殿)に叱られるべ。」おらは五郎八をきづぐ抱きしめだ。

それでも構わない。オレ(私)は、あの日あの時、東北の血が流れる者としで、どんなに怖ぐで恐ろしぐでも、自分が東北にいながっだことを後悔してる。伊達の血を引ぐ者としで、おどさの隣りでおどさと同じ痛みを分かち合えなかっだことを・・・あ、

五郎八の手から薄いピンク色の貝殻がひとづ落ちだ。「これは・・・」「この三陸海岸で拾っだ一番きれいな貝殻だと、オレが徳川さ嫁ぐ日におどさがくれたものだべ。

「そんな昔のこと忘れたべ。」「ひどいべ!今すぐちゃんと思い出してけろや!

五郎八は涙さ拭いで怒り、おらは笑っだ。嘘だべ。五郎八に一番似合うきれいな貝殻を、朝から日が暮れるまでずっと探し続けだ日のごとをしっかり覚えてる。今も大切に持っでいでくれて、まんずありがとう。ありがとう、五郎八。

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