上杉景勝くんの日記:第10回 すべすべ蜜柑
今日は大雪(たいせつ)である。今日から暦の上では雪がたくさん降る。所でわしは今日、大坂城で五大老のメンツと豊臣政権の今後について会議をした。その夜、またこいつらと食事会をした。
与えられた料理の中に、みかんがあった。わしは20分かけて、みかんの白い筋を黙々とはがし、白い筋が全くないみかんを完成させた。そしてさあ、食べるぞと言う時に、前田利家殿が「景勝殿って手先が器用なんじゃのお。」と言った。
続いて毛利輝元殿が「そんな、すべすべしたみかん、見たことがありません。顔に似合わないことするんですね。」と目を輝かした。すると徳川家康殿が「鬼の目にも涙か。」と意味不明な発言をし、宇喜多秀家殿がトドメに「というか、そのみかん、着物を全部はがされた女人のようで、いやだー景勝殿やらしー。」と言った。
わしは自分の顔の毛細血管が、ピリッ、ピリッと切れる音を体の中で黙って聴きながら、完璧にむいたみかんをむしゃむしゃと食べた。おいしかった。
カテゴリ:上杉景勝くんの日記 | 2007-12-07 公開
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