真田幸村くんの日記:第38回 伊達政宗からの手紙


真田幸村

戦国23年6月17日

「先生、先生、大変です!」と私は、盛親先生がいる大坂城の戦国経理課まで息を切らして走った。

どうした真田幸村。」と先生はそろばんをはじていた手を止めた。「先日、伊達政宗に東日本大震災の義援金を送ったら、私宛に手紙が届いたのです!」「マジか!?見せてみろ。

拝啓 真田幸村殿。おばんでがす~。553円の義援金、まんずありがとでがした。この銭(ゼニ)っこは戦国仮設住宅普請に大切につがわせでいただくでがす~。敬具 戦国23年6月3日伊達政宗

へえー。タダのアホかと思ったら、お礼の手紙までよこして来るなんて、意外に律儀な男なんだな。つーか真田幸村。553円って何だよ、553円って。

「すみません、私の全財産の半分です・・・」「どんだけビンボーなんだよ・・・。でもやっと戦国ハケン真田幸村と大大名伊達政宗が、かすかだけど確かに繋がったな。

「そのキッカケが東日本大震災とは皮肉ではありますが。」「本当だな。所で関係ないけど、向こうはお金のことを銭っこって言うんだな。」「かわいいですよね。」

先生と私は笑った。伊達政宗は私のことを知っているだろうか。その昔、上田合戦でその名をとどろかせた真田幸村という名の武将を覚えているだろうか。

でもそんなことは、もうどうでもいい。心底憎たらしいけれど勝手にライバルと決めつけた伊達政宗と繋がったこの瞬間を、私はきっと忘れないだろう。

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