織田信長くんの日記:第37回 ごちそうさま!
今日も明智光秀の娘の玉が、また性懲りもなく安土城に遊びにやって来た。
「おじちゃん。濃姫さまとお市さまと玉、この三人で一番美人なのは誰だと思う?」と玉は真剣な顔でわしに聞いてきた。「お濃。」とわしは真剣に答えた。すると、
「玉って言ってええッ!玉って言ってええッ!」と玉は泣き叫び、晴天だった空からはザザザーッ!と、どしゃぶりの雨が降ってきた。
「天は、戦国幼稚園児にも気を遣えない殿に驚いたのでしょう。」と家臣の丹羽長秀は蒼ざめた。
「とりあえず丹羽、玉を泣きやませろ。」「ええっ!そうだ玉ちゃん、お菓子いらない?」「金平糖なんかいらなーい!うええーん!」
「お人形もあるよ?」「リラ勝家ックマなんかもっといらなーい!うえーん、うえーん!あ、パパだ!」
玉は光秀を見つけるなり「パパーッ!」と光秀の胸に飛び込んだ。「パパ聞いて。おじちゃんは濃姫さまが一番美人って言うんだよ。」
「パパだって玉のママが一番美人だと思ってるよ。」「パパもおじちゃんも、やっぱバカ?ごちそうさまってカンジー。アハハハ!」
ごちそうさまであるか。そして丹羽は「玉ちゃんは金平糖よりもリラ勝家ックマよりも、やっぱパパか。」と笑った。
カテゴリ:織田信長くんの日記 | 2011-05-23 公開
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