石田三成くんの日記:第8回 私を見つけてくれた人
 7月17日
あの日、長浜で、太閤殿下が私を見つけてくださった。私はずっと誰かに、探し出してもらいたかった気がする。疲れていた殿下がたまたま立ち寄った寺に、私はいた。私はその寺で学問をやっていた。私は、突然現れた殿下の疲れを癒そうと、一生懸命三杯のお茶を入れた。あの懸命さをいつまでも、忘れたくない。
今、大坂城内で、武功派の連中に、私はいつも無視され、職務が円滑に遂行できなくなってしまっている。けれど、殿下との運命的な出逢いを思えば、逃げ出すわけにはいかない。
殿下は私を見つけてくれた、ただひとりの人なのだから。
カテゴリ:石田三成くんの日記 | 2007-07-17 公開
« 真田幸村くんの日記:第1回 大坂城の大将のつもりで 武田信玄くんの日記:第7回 本当のわしの姿 »
ランダムデイズ
- 徳川家康くんの日記:第34回 李舜臣と狸のしっぽ
 - 豊臣秀吉くんの日記:第77回 禁中茶会
 - 毛利秀元くんの日記:第11回 運命の人
 - 藤原惺窩くんの日記:第8回 秀次事件と大地震と大戦争
 - 伊達政宗くんの日記:第60回 鈴木石見の真夏の熱視線