山内千代さんの日記:第9回 北政所姐さん
今日私は、私が姐さんと慕っている北政所(きたのまんどころ)様に逢いに大坂城を訪ねた。そして、
「姐さんはおなごとして、子がいないことに負い目を感じておりますか。」
と私は北政所様に恐る恐る尋ねてみた。
「お千代ちゃんは感じておるのか。」
「はい、多少は。」
「女に生まれ、結婚、旦那、子供、友人、仕事、金、城、美容、健康、全てを手に入れようとした瞬間から、全てが狂い始める。本当に必要なモノ、どれかひとつ手に入れれば、よしとしようではないか。お千代ちゃんが今、一番必要なモノ、大切にしているモノのは何であろう。」
「私が発明した千代紙にございます。」
「一豊殿ではござらぬのか。」
「一豊は二番目、山内の家臣は三番目。」
その時、
「千代さん、そうすると私は四番目でしょうか。」
と一豊のダチにして大坂城三中老の茂助(堀尾吉晴)がいきなり庭先から出てきた。
「557番目。」
「そんな~。」
「お千代ちゃんは、旦那の浮気は許さぬが、自分にはちゃっかりボーイフレンドがおるのか。」
「茂助はそんなんじゃありません、姐さん。」
と私が慌てて否定すると、
「怪しいものじゃ。やはりお千代ちゃんにはかなわぬ。」
と北政所様は笑って、ビスケットをバリバリ食べた。
カテゴリ:山内千代さんの日記 | 2010-12-27 公開
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