石田三成くんの日記:第2回 殿下の白い猫
1月31日
太閤殿下の飼われている白い猫がいなくなってしまった。大坂城にいる家臣総出で、殿下の白い猫を探し回った。探してから1時間後、梅の木の下で殿下の猫が寝ているのを私は見つけた。
猫を抱き寄せた瞬間、櫓の下で、私の噂をしているふたりの男の声が聞こえた。
「どうせ、三成あたりが殿下の猫を見つけるのだろう。」「勘がいいというか、こざかしいというか、三成がいると大坂城はつまらない。」
その瞬間、私はうっかり、抱きかかえた猫を手から滑らし、逃がしてしまった。梅の木を見上げると、梅はまだつぼみもつけていなかった。
カテゴリ:石田三成くんの日記 | 2007-01-31 公開
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