小西行長くんの日記:第35回 醤油が切れたら
6月22日
昼間、うちの門を叩く音が聴こえてたので、門を開けると、隣り近所の加藤清正が立っていた。
「わしは今から、所用で大坂城に行く。」と清正は自分の黒光りした馬をなでながら言った。「勝手に行けば。」と私は冷やかに言った。
「わしがいない間、また熊本城の秘密通路、勝手に通ったりしたら許さないからな。」「通らねえよ。あんなカビくさい通路。」
「ならいい。それでは、さらば。」「おい待て。いつ帰ってくんだ?」「わからない。もしや、わしがいなくなるのが寂しいのか?」
「うちの醤油が切れた時、困るんだよッ!」
「小西ご近所行長ーッ!おまえいい加減にしろよ!」
と清正は泣き叫んで、馬に飛び乗り、大坂城に向かって駆け抜けて行った。まあいい。清正のいない静かな熊本をしばし楽しむよ。
カテゴリ:小西行長くんの日記 | 2010-06-22 公開
« 織田信長くんの日記:第32回 禁裏の修理 松永久秀くんの日記:第49回 日記中毒 »
ランダムデイズ
- 豊臣秀吉くんの日記:第60回 奥州仕置の始まり
- 豊臣秀吉くんの日記:第51回 耳と鼻の始まり
- 松永久秀くんの日記:第66回 サヨナラ夏の恋
- 毛利秀元くんの日記:第6回 全州の宴
- 後藤又兵衛くんの日記:第65回 最後の希望のように