李舜臣くんの日記:第16回 ダメダメ左水使

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李舜臣戦国29年8月1日

日本軍侵攻の兆(きざ)しがあるといえど、泰平の世が長く続き、みな安きに流れていた。

左水使(サスサ・水軍司令官)とは、鬼になることなのだろうか?

先月、全羅左水営管轄下にある官営・蛇渡鎮の戦備の不備により、担当の軍官を処罰し上官の金浣(キム・ワン)を捕らえた。

今の私は人に嫌われることしかできない。

一昨日、防踏鎮の兵船の軍官らが、その兵船の修繕を行わなかったことにより、彼らに杖罰を加えた。

自分のやっていることに眩暈がしてくる。

宝城からの板子が期限に遅れて、いまだ納入されない。昨日、担当者に杖八十の処罰を加えた。

志を遂げるには、孤独を通過しなければならないことを薄々気付き始めている。だけど時々何もかも耐えられなくなる。

本日、蛇渡鎮の兵器を点検したが、矢も大砲も使えるものが一つもなかった。

「金浣てめえ、いい加減にしろよ!?」

と私がブチ切れると、

李舜臣と金浣うるせえ、階級七段飛びで左水使になった人間の言うことなんぞ聞けるか、ボケッ!!

と金浣が逆ギレした。

「はあ!?もっかい言ってみろ!」

こうして私と金浣の殴り合いの喧嘩が始まると、周りにいた軍官みな沸き立った。

ダメダメ左水使。だけど日本軍侵攻の兆しに、私という一つの狂気。きっと正気の沙汰でいられないんだ――

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