後藤又兵衛くんの日記:第33回 遅刻の理由
7月17日
俺はずっと主君の吉兵衛(黒田長政)のそばに仕えてきた。賤々岳の戦いに、関ヶ原の戦い-吉兵衛の活躍は、誰よりも近くで見てきた。朝鮮でのいくさでは、吉兵衛と俺は同じ地獄を見てきた。黒田の兵を無事に日本に帰還させる為、二人で奮闘もした。しかしいつの間にか、吉兵衛と俺の間には、深くて埋まらない溝ができてしまった。
今日、黒田家の朝礼に俺は見事に遅刻した。吉兵衛は黒田家中の前で「GM、遅刻の理由は?」と俺に尋ねた。GMとは後藤又兵衛、俺のことだ。「寝坊です。」と俺は正直に答えた。
「GMの家は遠く、デトロイトにあるから遅刻したのかと思った。」と吉兵衛はほざいた。遅刻した俺が一番、悪い。しかし、凍るようなその親父ギャクも、吉兵衛の何もかも全てが時々、俺の生きる気力をとことん奪う、威力を持つのであった。
カテゴリ:後藤又兵衛くんの日記 | 2009-07-17 公開
« 小西行長くんの日記:第27回 宇土城の住所 小早川秀秋くんの日記:第19回 蚊の攻撃力 »
ランダムデイズ
- 藤原惺窩くんの日記:第24回 束脩(そくしゅう)
- 藤原惺窩くんの日記:第6回 島津義久と伊集院忠棟の共謀
- 加藤清正くんの日記:第32回 宇土城のイルミネーション
- 李舜臣くんの日記:第16回 ダメダメ左水使
- 豊臣秀吉くんの日記:第29回 それを信じるほどに単純な者たち