小西行長くんの日記:第24回 鮭のぼり
4月16日
朝一番で、隣り近所の加藤清正が私の屋敷にやってきた。「あれはなんだ!」と清正は門前で叫び、うちの鯉のぼりを指差した。「どうだ、大きいだろう。おまえんちより先に飾ってやったよ。へっへー!」と私は自慢した。
「あれは鯉じゃない。鮭(サケ)だ!」と清正は叫んだ。「え。」と私は鯉のぼりをよくよく眺めてみた。「嗚呼、本当だ。私の家臣が鯉と鮭を間違えて飾ったようだ。しかしどちらも魚類!ノープロブレム!」
「どんだけ適当なんだ。しかも鮭の顔がどれも怖すぎる。」「だって鮭だもん。産卵の為、体がボロボロになりながらも、川の上流目指してのぼる、鮭。空も、同じように懸命にのぼっているだけさ。」
「なんか、そんな風にも見えてきた。」「だろ?!」と清正と私は、青空を悠々と、もとい、必死に泳ぐ鮭のぼりをしばらく一緒に眺めていた。
カテゴリ:小西行長くんの日記 | 2009-04-17 公開
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