真田幸村くんの日記:第16回 カッコ派遣


真田幸村12月19日

仕事を終え、帰ろうとした時、「櫓(やぐら)管理課忘年会」のお知らせが私の所に回ってきた。大坂城の私の部署でも忘年会をやるらしい。参加する人は、自分の名前の所に「〇」をつけるように書いてあった。私はお酒が好きなので、勿論参加しようと、〇をつけようとして、自分の名前を名簿から探した。

真田幸村(派遣)

・・・・・。カッコ派遣って何?!そりゃあ戦国ハケンという身分だけど、忘年会まで、戦国正社員と区別する意味って何?!私は、頭にきて「×」と思い切り書いた。

多くの戦国ハケンが年末で不当な解雇される中、私は運良く大坂城に残ることができた。でもカッコ派遣って扱いはなんなんだ。私は、悲しい気持ちで、凍えそうな寒空の中、大坂城の門をくぐった。その時、

ハケンさーん、そこのハケンさーん!

と後ろから声がして、振り向けば、盛親先生(長宗我部盛親)だった。「帰るのか、幸市。」と盛親先生は言った。私は頷いた。「じゃあ一緒に帰るか。」と盛親先生は笑って、私の背中をボンと叩いた。

盛親先生がハケンと私を茶化して呼んだことで、たった今、ハケンというとらわれから、私は開放された。ハケンというコトバに温度はないと思っていた。でも盛親先生が私を呼ぶハケンには、何故か温度があった。温かさがあった。

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