石田三成くんの日記:第17回 お中元返上
7月29日
大坂城に、太閤殿下、秀吉様へ諸大名から、戦国お中元が届いた。その中身は、豪華絢爛な屏風、異国のワインという飲み物、時を刻む時計などである。去年、毛利家から届いた真夏のりんごをしのぐ、高価なものばかりである。
私は全ての戦国お中元を殿下にお見せする前に、諸大名にお返した。今、諸大名にしていただきたいことは、いくさで荒れ果てた領国を再生してもらいたいのである。戦国お中元はいらない。その分領国の民にかかる税を軽減して、いただきたい。それが殿下に対する本当の忠義である。
という、私の優等生発言は諸大名の大反感をかった。私の所には、毎日のように、諸大名から怒りの文が届いた。おまえは何様だと。そしてどこぞの忍びが、諸大名の命で、私の命を狙っている。
私は間違ったことをしたのかもしれない。それでも、私は私の信じる道を選んだ。本当は気が弱いにもかかわらず、自ら諸大名を敵に回すことを、私は選んだ。大坂城で孤立することを、孤独を自分で、選び取った。
カテゴリ:石田三成くんの日記 | 2008-07-29 公開
« 徳川家康くんの日記:第13回 惚れ薬 加藤清正くんの日記:第4回 食べれる畳の味 »
ランダムデイズ
- 豊臣秀吉くんの日記:第42回 柳成龍 登場
- 加藤清正くんの日記:第48回 永遠の被害者
- 上杉景勝くんの日記:第45回 五大老との初めての出逢い
- 藤原惺窩くんの日記:第20回 郷党
- 豊臣秀吉くんの日記:第50回 小田原天命