真田幸村くんの日記:第37回 政宗と義援金と戦国チューリップ


真田幸村

戦国23年4月21日

伊達政宗は心底、憎たらしいけれど私が勝手に決めた宿命のライバルである。

だから私は東北に住む彼に、東日本大震災の義援金を送ろうと思った。しかしタダの浪人、戦国ハケンの私では千円捻出するのも至難の業。

はあ、何だかとてもみじめだった。「また東北のアホのことでも考えているのか。

振返ると盛親先生が立っていた。「え、先生は私の心が読めるのですか。」私は大坂城の庭で草むしりをしている手を止めた。

この四年、ずっとおまえを見て来たからな。それにしても見事に咲いたな。」先生は私が育てた真っ赤な戦国チューリップ300本に目をやった。

まるで真田幸村の優しさと強さと情熱が投影されているようだ。真田幸村、もっと自信を持て。おまえが伊達政宗より劣っている所など一つもない。ただ向こうよりちょっとビンボーなだけだ。

「センセー!」私は大粒の涙を流した。「ちょっと所じゃありません。かなりビンボーです。」「そっちの涙かよ。そんじゃ木村重成に賃金交渉でもするんだな。」と先生は笑って戦国じょうろで私が懸命に咲かせた戦国チューリップに、隅々まで水をまいてくれた。

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