上杉景勝くんの日記:第19回 年賀状を書く五大老
今月も寒い中、五大老定例会議があって、前田利家殿、徳川家康殿、毛利輝元殿、宇喜多秀家殿と、わしで、豊臣家の今後について大坂城で話し合った。その後、近くの寺で、このメンバーと恒例の夕食会があった。
「先週から、戦国年賀状書いていて、でも来年の干支の牛がうまく描けないんです。どうしよう。」と秀家殿が食事をしながら、みんなにぼやいた。「わしは毎年、年賀状のイラストは、絵師の狩野家に任しておる。」と家康殿は言った。
「努力、努力、言っているわりには、人任せ。お金で解決か。」と輝元が遠い目をして言った。それを聞いた家康殿の顔に血の気がなくなった。それを見た利家殿が慌てて、「わしは、毎年、芋版(いもばん)じゃ。芋に牛を掘った。」と言って、場の空気を和らげようとした。
「年賀状のイラストを芋版で作るヒト、今時いるんですか?!」と秀家殿は驚いた。「芋版は現代で言う、プリントゴッコのはしりよ。」と利家殿は言った。「プリントゴッコとか言ってると、ここにも、しゃかりコロンブス出て来そうで、怖いからやめてくださいよ。利家殿、古ッ!」と輝元殿が言った。
わしも牛はうまく描けんので、今年の年賀状は、代わりに牛乳を描いた。
カテゴリ:上杉景勝くんの日記 | 2008-12-17 公開
« 山内千代さんの日記:第3回 ど忘れ 織田信長くんの日記:第28回 運命の出逢い »
ランダムデイズ
- 石田三成くんの日記:第42回 タンポポの綿毛と面積の単位
- 小西行長くんの日記:第42回 Without 宇喜多秀家
- 大谷吉継くんの日記:第17回 孤独の糸
- 豊臣秀吉くんの日記:第63回 朝鮮通信使との対面
- 藤原惺窩くんの日記:第9回 明に恋して舵(かじ)を絶え