石田三成くんの日記:第9回 真夏の林檎


石田三成 戦国19年9月6日

今日、大坂城に毛利輝元殿から荷物が届いた。開けてみたら、箱の中にギッシリとリンゴが詰まっていた。「今年、真夏に収穫したリンゴです。太閤殿下(秀吉)に献上致します。」と文が添えられていた。輝元殿は去年の初冬、桃を殿下に献上してきた。その時、私は季節じゃないモノは、殿下の体を壊す可能性もあるし、そうなったら、何より輝元殿が困るからと断った。

なのに、今年は真夏のリンゴ。見た目は普通のリンゴより、小さくて色も薄い。栄養もなさそうだ。ひとつかじってみた。まずくない!このリンゴを殿下に献上したら、珍しいから、殿下はきっと喜ぶだろう。そして、輝元殿も。でも、もう若くない殿下の体がやっぱり心配だ。

忠義という重い荷物を降ろしたら、私はもっと楽に生きられるだろう。でも、降ろせないなら、この真夏のリンゴは輝元殿にお返しし、毛利家から私は今年も非難を受け、益々この大坂城で、孤独になっていくしかなかった。

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