小西行長くんの日記:第8回 炎天下の下の秋
8月8日
今日は立秋ということに、私は気付いてしまった。
この真夏の炎天下で、暦の上ではもう秋だと気付いたのは、この世で私ひとりのような気がして、なんだかさみしい気持ちになった。
自分の屋敷に夕暮れ時に帰ると、文が届いていた。大谷吉継からだ。暑中見舞いかと思ったら、以前出した手紙の返事だった。
「高山右近殿を含めたあなた達のローマ旅行の件だが、行長は私がいないと、ひどく退屈すると思う。だから別に付き合っても構わない。」とあった。大谷も私も、いつも素直じゃない。
そして最後に「この文があなたに届く頃は、もう立秋かもしれない。」とあった。寂しい人間は私だけじゃなかったか。私は苦笑した。
カテゴリ:小西行長くんの日記 | 2007-08-08 公開
« 織田信長くんの日記:第10回 夏の恋は短いのか? 松永久秀くんの日記:第12回 若者ぶってみたり »
ランダムデイズ
- 後藤又兵衛くんの日記:第53回 今日、酒の席で その2
- 毛利秀元くんの日記:第9回 最終兵器彼氏
- 藤原惺窩くんの日記:第10回 執念の待つ
- 毛利秀元くんの日記:第21回 降倭・萱島元規
- 藤原惺窩くんの日記:第12回 私が歓喜の声をあげた瞬間、あなたは捕らわれた