山内千代さんの日記:第14回 第六感


山内千代9月9日

女も男も、自分の利益の為なら、涼しい顔して平気でヒトを傷つけ、地獄の底までヒトを陥れる。大人になってからの私は、見なくてもいい人間の本質を、余りにも見すぎてしまった気がする。

女も男も、誰も信用できなくなった時、私はひとりの男を思い出す。山内一豊を思い出す。余りに素朴すぎて、誰もが気付かず通り過ぎてゆく、彼の優しさと温かさ。それだけが、私のたったひとつの希望だった。

しかし一豊と私とをつなぐものは、何ひとつない。愛してるなんて言葉だけでは物足りないから、そんなこと言ったりしないし、ましてこの先、言われることもないだろう。

ふたりの間に流れる、見えないもの、聴こえないもの。第六感、研ぎ澄まして、見えない何か、聴こえない何かを、私はこの先、どれだけ感じることができるだろう。感じることができなければ、全てが終わる、不確かで曖昧なふたりの関係。

女も男も、誰も信用できなくなった時、私は、ひとりの男を思い出す。余りに素朴すぎて、誰もが気付かず通り過ぎてゆく、彼の優しさと温かさ。それだけが、私のたったひとつの希望であり、光だった。

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