山内千代さんの日記:第30回 情熱


山内千代

9月28日

私のタイプは、竹中半兵衛みたいなイケメンの細マッチョで、頭の回転が速い男。

でも選んでしまったのは、イケメンでも細マッチョでもない、頭の回転はむしろ遅すぎる山内一豊。

あたしはどれ程、孤独だったのだろう。

ギャグを言えば寒いだけし、ファッションセンスもなってなくて鎌倉時代に流行ったような一昔前の鎧兜を身につけている。

あたしはどれ程、孤独だったのだろう。

私が命を懸けて生み出した千代紙を、誰も見向きはしなかった。

けれど「いいね。」と、たったひとこと言ってもらったくらいで、恋に落ちるなんて。それが山内一豊だったなんて。

運が悪すぎる。間が悪すぎる。望んでいた恋と違いすぎる。

あたしはどれ程、孤独だったのだろう。あたしはどれ程、孤独だったのだろう。

もっと多くの人に「いいね。」って言ってもらいたかったけれど、それが叶わないのなら、山内一豊に捧げるわ。

いつの間にかあなたを振り向かせたいが為に作り続けていた、何千枚というこの情熱的な千代紙をたった一人の武将に。たった一人の男に捧げるわ。

前後の日記

« »

ランダムデイズ

関連トピック