大谷吉継くんの日記:第8回 ほこりが積もったそろばん


大谷吉継10月12日

今日は、石田三成が、大坂から私のいる福井県に遊びに来た。なかなか夏休みが取れなかったらしく、気付けば雁(ガン)も飛来する季節になっていた。三成は、「あ、そろばん!」と私の屋敷の書院に飾ってある、最新型のそろばんを発見した。「あ!」と私は思わず声を出した。それは三成が今年の夏、お中元にくれたものだ。

でも、私含め家臣一同、誰も使いこなせかなかった。せめて、私の自慢の書院に飾っておいたのだが、そろばん、もらったことさえ忘れていたので、そろばんには、ほこりが積もっていた。

「大谷、ごめん。お中元の中身、小西と間違えた。小西にそろばんを、大谷に大坂のお茶菓子をあげるつもりだったんだけど。」と三成は謝り、更に「お気に入りの場所に飾ってくれてありがとう。」とお礼を言った。「ほこりがぶっているけど。」青ざめた顔で私は言った。「算術は苦手、数少ない友人にもらったものは忘れている、大谷らしくていい。」と三成は笑った。大坂城を取り仕切っている人には、やっぱりかなわない気がした。

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