大谷吉継くんの日記:第48回 君が見えない


大谷吉継戦国26年8月27日

今、戦国武将の多くは、豊臣の領土的野心の為に朝鮮でいくさを繰り広げている。

彼らの士気を高める為に太閤殿下は、朝鮮への渡海を強く望まれた。

しかし殿下の側近である浅野長政が自分の首をかけて殿下に諌言し、殿下の渡海を中止させた。

私は耳を疑った。
石田三成ではなく、浅野長政?

私は、浅野長政と同じく殿下の側近である石田三成こそが真っ先に殿下を止める人間だと思っていた。

雨

しかし事実は違った。
殿下に諌言して、殿下から蟄居を命じられたのは浅野長政の方だった。
君は無傷であった。

再び殿下が渡海を望まれた時、今度は家康殿と利家殿がそれを制止した。
その時、殿下の渡海を望む三成は家康殿と激しい激論を繰り広げたという。

豊臣というのは一体、いくさのない世を作る気があるのだろうか?
君と私は一体、何をしているのだろうか?
私にはもう、君が見えない。

見上げた灰色の空から冷たい雨が降ってきた。

君と私の関係はもはや友情などではない。

いつの間にか豊臣の上の方で甘い汁を吸っているだけの馴れ合いに転落していたんだ。

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