第二部 侍韓流ドラマ

戦国デイズ – 武将たちの日記

真田幸村くんの日記:第29回 いつか伊達政宗に出逢う日


真田幸村1月18日

今日は、新年会と称して、盛親先生(長宗我部盛親)と大坂城下の居酒屋で、酒を酌み交わした。「今日、大坂城の厠を掃除していた時に、こんなものを拾いました。」と私は、戦国男性ファッション誌を先生に見せた。

んなもん、拾ってくるなよ。『特集・伊達政宗さん、五色水玉模様の陣羽織さ着でおばんでがす~!』って、こいつはうわさ通りのアホか?」と先生は雑誌をめくった。

雑誌の特集ページには、戦国には写真がないので、いくつかの政宗殿の肖像画とインタビュー記事が掲載されていた。

「『まだ若かった頃、いくさ場で取り返しさ、つがない過ちをおらは、たぐさんしましだ。おらのせいで多ぐの尊い命さ犠牲になったでがす~。』ってこいつ、俺の人生と多少、かぶるな。」と先生はふと、政宗殿の言葉に目を止めた。

私は政宗殿が、なんか気になったのです。自分と同い年ですし。

ふ~ん。あ、こいつ、おまえに逢いたがってるよ。『おらはまだ、いくさ場でホンモノの武将に、逢っだことがないでがす~。逢っだことがないまま、戦乱の世が終わっでしまっだでがす~。』だって。

別に私のことではないと思いますが。

今時、おまえ以外にホンモノの武将がどこにいんだよ。伊達政宗がホンモノだったら、真田幸村というホンモノに逢えるだろうよ。戦乱の世はまだ終わっちゃいないし、このまま終わらせやしない。」と先生は、私にお酌してくれた。

いつか、伊達政宗殿と対戦する日が来るのだろうか。彼がホンモノだったら、そして私がホンモノだったら、私達は出逢える。

大坂城に真田丸を築いて、徳川家康と共に、伊達政宗までも討つ。そんな静かな野望を胸に忍ばせて、私の今年一年が幕を開けた。

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