藤原惺窩くんの日記

藤原惺窩くんの日記:第13回 西笑承兌

読むのにかかる時間:約1分55秒

戦国29年7月12日 鬼界ヶ島(きかいがしま)から約一年ぶりに私は、日本本土に帰って来た。 本来なら真っ先に播磨・竹田城主の赤松広通さまに逢って、明に入国することが失敗したこと、然しながら私自身は無事であることをご報告す… [続きを読む]

藤原惺窩くんの日記:第12回 私が歓喜の声をあげた瞬間、あなたは捕らわれた

読むのにかかる時間:約1分23秒

姜沆

戦国29年5月22日 明へ遊学を企図するも、鬼界ヶ島(きかいがしま)に流れ着いて一年ほど過ぎた頃。 ついに、日本の船が鬼界ヶ島を通った。私は船を共にした仲間と一緒に助けを求めると、日本の船は素早くこれに応じた。 私が歓喜… [続きを読む]

藤原惺窩くんの日記:第11回 鬼界ヶ島の戦士

読むのにかかる時間:約1分40秒

姜沆

戦国29年2月17日 明へ遊学を企図するも、鬼界ヶ島(きかいがしま)に流れ着いて数ヶ月。 島民が数人、穀物もなく、舟も通らなかったけど、その分、私は久しぶりに自由を手に入れた。ここでは、 「日本のバカヤロー!」 と、どれ… [続きを読む]

藤原惺窩くんの日記:第10回 執念の待つ

読むのにかかる時間:約1分54秒

藤原惺窩

戦国28年12月19日 明へ渡ろうとするも疾風にあって、私はここ・鬼界ヶ島(きかいがしま)に流れ着いた。 この島で生活すること一か月。この島には、言葉のほとんど通じない島民が数人、穀物もなく、舟も通らなかった。 「もう死… [続きを読む]

藤原惺窩くんの日記:第9回 明に恋して舵(かじ)を絶え

読むのにかかる時間:約1分56秒

赤松広通と木下勝俊

戦国28年11月9日 明への遊学を企てた私は、山川津(薩摩半島東南端の港)に到った。そして、ようやく出帆した明行きの船に揺られながら、私はふと百人一首の中の一句を思い出した。 由良(ゆら)のとを 渡る舟人 かぢをたえ 行… [続きを読む]

藤原惺窩くんの日記:第8回 秀次事件と大地震と大戦争

読むのにかかる時間:約1分56秒

豊臣秀吉with西笑承兌・加藤清正

戦国28年9月20日 明へ遊学を企てた私は、今年六月に京都から薩摩に向かい、翌月に浜之市(大隈北部)で島津義弘様と伊集院忠棟様に面会、承諾を得て出帆。 ここ山川津(薩摩半島東南端の港)に到って、入明の船を待っていた。 そ… [続きを読む]

藤原惺窩くんの日記:第7回 明渡海直前にすくむ足

読むのにかかる時間:約1分56秒

空と海

戦国28年7月17日 私は儒学を直接学ぶため、明へ渡海を企図。 京から薩摩・浜之市に至り、島津義久様・伊集院忠棟様に承諾を得て、本日いよいよ出帆することとなった。 しかし船に乗る直前、突風が吹き、雲行きはこれから先を暗示… [続きを読む]

藤原惺窩くんの日記:第6回 島津義久と伊集院忠棟の共謀

読むのにかかる時間:約1分59秒

戦国28年7月7日 私は儒学を直接学ぶため明国渡航を企図し、先月京都を出立。 内海から東九州海岸を経て今月、薩摩・浜之市(はまのいち)に到った。 そして島津家筆頭家臣・伊集院忠棟様に面会すると、 「日本軍、朝鮮再出兵とな… [続きを読む]

藤原惺窩くんの日記:第5回 若狭国の歌詠みお殿様

読むのにかかる時間:約2分5秒

木下勝俊

戦国28年5月23日 儒教を学びにここ播磨から明に向けて旅立つ朝。 東から淡い日の光を浴びた粗末な庵の戸を閉めたその時、 「惺窩先生――ッ!」 と私を呼ぶ声が聴こえた。 振り返ると、北政所様の甥で若狭国(福井県)の殿様・… [続きを読む]

藤原惺窩くんの日記:第4回 全ての人々を敵に回しても

読むのにかかる時間:約1分48秒

赤松広通

戦国28年4月18日 「儒教を学びに明へ渡海したいだと!?」 と播磨竹田城主・赤松広通様は絶句した。 竹田城の庭園において私は、幼馴染で弟子もある広通様の目を真っすぐ見て 「さようでございます。」 と答えた。 「文禄の役… [続きを読む]

藤原惺窩くんの日記:第3回 忘れられない通信使

読むのにかかる時間:約1分46秒

許筬(ホソン)

戦国28年3月24日 カルチャーショックとはこのことだろうか? 日本軍が朝鮮に侵攻する二年前、朝鮮通信使が来日した。 この時、僧の私は彼らと交流する機会を得た。 通信使が着ている華やかな衣服、数百人の音楽隊が奏でる愉快な… [続きを読む]

藤原惺窩くんの日記:第2回 天空の城の赤松広通

読むのにかかる時間:約1分58秒

赤松広通

戦国28年2月23日 私は藤原定家十二世の子孫で、冷泉為純の子として播磨(兵庫県南西部)に生まれた。 幼い頃に但馬(兵庫県北部)景雲寺に入って僧となり、十八の時に戦乱で父と兄を失い、相国寺普広院・住職の叔父を頼って上京。… [続きを読む]

藤原惺窩くんの日記:第1回 私のソンセンニム

読むのにかかる時間:約1分58秒

姜沆

戦国28年1月25日 「どこに行かれるのです?」 私は本日、伏見城内から梯子をかけて塀を越えようとする、大きな風呂敷を背負った姜沆(カンハン)先生を見つけて驚いた。 「ちょっと散歩しに。」 と先生は朝鮮語で答えた。 私は… [続きを読む]